たかが電話番号、されど電話番号。士業ホームページの連絡先バナー

士業事務所さんのウェブサイトの最終目的が電話からのお問い合わせだとしても、電話番号バナーというのは「とりあえず」「なんとなくこんな感じ」で設置してしまうケースが多いのではないでしょうか。

たかが電話番号、されど電話番号。

最終的な目的に電話問い合わせを設定するなら、電話番号バナー周りは反応率に直結する大事な要素となりますので、定期的に見直してみるのも効果的です

電話番号バナー再考

電話番号バナーとひと言で括っても、その実際はサイズや色、配置場所、添える文章など、様々な要素から成り立っています。

電話番号の大きさ

電話番号の大きさは、適切なサイズになっているでしょうか。電話番号を小さく表記するとウェブサイトのスタイリッシュさを損なわないメリットもあるのですが、小さくしすぎることによって瞬時に判断できないデメリットが生じているケースも多く見受けられます。

逆に、とにかく連絡して欲しいため電話番号を巨大なサイズで配置しているウェブサイトもあります。押しが強すぎて引かれる懸念はあるものの、とはいえ、小さすぎるより弊害は少なそうです。

電話番号を配置する場所

配置場所は、ウェブサイト右上と、サイドバー上部(または下部)、および本文の終わった余白あたりに配置するのがお決まりのパターンといえます。

特に本文末尾は、コンテンツを読み終えてそのまま目に入る箇所なので、業務案内ページなどでは必須の配置場所、最重要の電話番号バナーです。

スマートフォンで閲覧する場合、電話番号が画面上部や下部に追尾してくるタイプの構造を取ることもあります。この場合、追尾してくる電話ボタンのぶんだけ画面が狭くなるデメリットが生じます。また、常に追尾してくるボタンというのはいつの間にか視界から消えてしまうこともあるので、常に画面内に表示されているからと安心していると反応率が思ったより上がらない結果につながることも。

電話問い合わせの名称

問い合わせの「名称」と言ってもわかりにくいかもしれませんが、たとえば電話番号の上や下などに「○○事務所」など事務所名だけを表記するのではなく、電話番号の前には「○○相談ダイヤル」「○○安心ダイヤル」「○○相談ホッとライン」など、相談するのが当たり前である雰囲気の名称を付けてしまうほうが、電話をかけやすい印象を与えます。

対象者の設定

ウェブサイトで取り扱っている内容が、他人にはなかなか相談しにくい性質を帯びるものであれば。相談電話にも躊躇してしまう訪問者の割合が多いはずです。そのようなケースでは、電話番号バナー付近で「どんな些細なお悩みでも、まずはお聞かせください」的に、間口を広げることになります。

ただし、どんなサイトにもこの文言を記載すればよいというものでもありません。

単なる質問電話や、業務内容とはほとんど関係のない相談などが多くかかってくるようであれば、電話番号バナー付近で「業務に関するご相談はこちら」など対象者を顧客候補に絞って「なんでも電話相談」にならないように調整が必要です。

営業時間の併記

電話番号バナーのデザインや配置を考えるときは、営業時間の表記と必ずセットにします。

電話番号だけ掲載されていても、その番号に今かけてもいいのか、営業時間(営業日)から判断がつかなければ、何割かの人はかけるのを躊躇ってしまうからです。

電話して最初の一言

よく目にする、「○○のホームページを見たとお伝えください」というアレです。「○○のホームページを見たのですが」と開口一番に伝えてもらうほうが、士業事務所側としても何の要件なのか把握しやすいメリットがあります。

逆に、電話をかける側も「最初に何て言ったらわかりやすいのだろう?」という不安を抱かずに済むメリットがあります。士業事務所側の都合だけではない一文です。

事務所の所在地

電話番号の下などに、事務所の所在地を併記しておくのも、反応率向上に効果的な場合があります。主な理由は2つ。

  1. 電話をかける段階で、どこの事務所なのか把握しやすい
  2. 実在する事務所であることを印象づけやすい

前者は、「間違って遠い事務所に頼んでるんじゃないか?」「対象エリア外ですと言われたらどうしよう」という疑問や不安を払しょくする意味での所在地記載です(これはフリーダイヤルでなければ、市外局番からもある程度は判別可能ですね)。

後者は、実在している事務所が運営していることを印象づけることで「本当にこの事務所、存在してるのかな?」「実際に活動してるのかな?」という不安を払しょくする意味での所在地記載になります。

ただし、全国から依頼を受けることが可能な業務(特にフリーダイヤルを導入している場合)は、ローカル色を強めることが逆に働いてしまうこともあります。この場合は所在地を記載しないという選択もありえます。

電話番号の色(カラー)

これは電話番号バナーについてというよりも、ウェブサイト全体の配色の問題でもありますが、あなたの事務所のウェブサイトにおいて最終目的である電話番号バナーは確認しやすい色味になっているでしょうか。

ウェブサイト全体に色数を多く使いすぎると、電話番号部分が埋没して目立たなくなってしまいます。たとえばベース(背景)を白、ナビメニューなどメインで使用する色を青や緑に設定するなら、電話番号や問合せボタンにワンポイントの暖色系カラーを使用することで、アクションを起こすときの目標のみ浮き立たせることができます。

ただし暖色系で目立たせるとしても、電話番号自体を赤色にしてしまうと、ウェブサイト訪問者が架電しにくい可能性も考えられます(赤は警戒の色なので)。

電話番号バナーの周囲

以上は電話番号バナー自体の内容や配置に関する注意点でしたが、電話という最終目標を達成するためには、電話番号バナー周囲のフォロー要素も充実させる必要があります

安心提供要素と不安払しょく要素

「電話しようか、どうしようか」「本当にこの事務所でいいのかな?」そういった電話直前の不安を払しょくして安心を提供する要素を中心に、電話番号バナー周りのコンテンツを充実させます。

  • 創業○年(地域の皆様に愛されて○年)
  • 業務の実績、年○件
  • お客様の声(コンパクトにまとめたもの)
  • 事務所やスタッフの写真(雰囲気がわかるもの)
  • メディア掲載実績・表彰実績
  • 返金保証
  • 電話直前で迷いそうな「よくある質問」

などが考えられます。これらを長々、丁寧に説明するのではなく、電話番号バナー周りでコンパクトに表現できるようまとめて配置します。

ただし、士業事務所のウェブサイトでありがちなのが、事務所代表者さんの怖い顔で写った証明写真のような画像を、電話番号の近くに配置してしまう問題です。電話ウェルカムのはずなのに、これをやってしまうと電話しようとする人を追い返してしまう効果が強まってしまいます。

ひと押し要素について

最後の最後、「ここで、いいんだよね?」という電話直前の人をそっとひと押しする要素として、「今なら」バナーがあります。

よく目にする機会があるかと思いますが、たとえば電話番号バナー直前の「今なら、○○を無料進呈中」や「今なら、○○キャンペーンで料金○割引」、「毎月○名様限定」といったバナーが、ここでいうひと押し要素です。

これらを否定するつもりはありませんし、効果的に活用できるシチュエーションというのもあるとは思います。が、士業事務所ウェブサイトで割引キャンペーンや人数限定キャンペーンを多用することは、事務所自体の信用性を落としたり、経営不振を招く要因にもつながりかねません。

特に料金割引キャンペーンについては、商品販売とは異なり仕入原価がかからない士業事務所だからこそ、安売り競争に一歩踏み出してしまうと、後は歯止めのない「もっと安く」「他より安く」の料金低下のスパイラルに巻き込まれてしまいます。そうなると、依頼が入るほど資金難に陥るという、本末転倒の事態に。

また料金を下げるほどに客層が悪くなる業務もありますから、料金割引のひと押し要素は安易に使わない(試さない)ほうがいいでしょう

士業事務所の場合は個人のプライバシーや重要な情報に関わることが多いので、お客様の個人情報をしっかり保護するような安心の一言を添えるのもひと押し要素として効果的です。

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IWAMOTO

代表取締役風デザイン株式会社
士業事務所のウェブ集客・活用のコンサルティングと営業用ウェブサイトの制作に14年超携わっています。 クライアントは行政書士、社労士、司法書士、税理士、弁護士等の士業事務所さんで、日本全国、幅広く対応中。

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