士業事務所で業務特化型のウェブサイトを公開した後、上位表示を狙う検索語句(1単語とか1単語+地域など、そこそこメジャーなワード)については、可能であれば早めにリスティング広告を利用して、その語句で上位表示されたとき反応率がどの程度なのか体感してみるのも一つの手です。
主な理由は2つありますが、1つは上位表示を考えている検索語句の組み合わせでSEO対策を行っていくとして、数ヶ月後~1年後に上位表示されたとき本当に意味のあるワードなのか、早めに感覚をつかむことができるから。
もう1つの理由は、制作した集客目的のウェブサイトが本当に機能するものなのか、検索エンジンへの浸透期間を置かずにあらかじめ判断することが(ある程度)可能だからです。文字通り、お金で時間を買うということですね。
リスティング広告で上位表示の反応率を体験する
リスティング広告は、検索結果の上や下に検索結果と類似した文字情報として表示される広告です。
そのため、ウェブサイトを制作・公開した直後からこのリスティング広告を活用することで、その検索語句で上位表示された場合の反応を、(一定程度)先取りして体験することができます。
なお、いまの検索結果では、広告のほかにAIによる要約が上部に表示されることもあり、自然検索で1位になったとしても、広告とまったく同じ位置に並ぶわけではありません。先取りできるのが「一定程度」に留まるのはそのためです。ただ、その語句で検索する人が本当にいるのか、訪れた人が問い合わせに至るのか、という2点は、広告でも確かめることができます。
本当にその検索語句で検索されるのか
前述の2つの理由のうち、もし前者が芳しくなかったら。
より具体的には、依頼に繋がるだろうと予測していた検索語句の組み合わせでリスティング広告を展開してみたものの、ほとんどクリックする人(検索する人)がいなかったというときは、その意図する検索語句の設定自体が間違っていることになります。
そのようなときは、上位表示を意図する検索語句をあらためて検討して、より反応のある検索語句を探るためにリスティング広告を展開・活用します。
※Google広告であれば、キーワードプランナーを活用することで大雑把ではありますがどのくらい検索されるかの目安を確認できます。
たとえばよくある例として、Aという業務を依頼する人がAという単語そのものを検索すると思っていたら、リスティング広告で反応を確認したところ、実はBという単語で検索する人のほうが訪問してもらいやすく、結果として受任に至りやすいこともあります。
他に、A+都道府県という組み合わせで検索されるのだろうと意図していたところ、実際にはA+市区町村という組み合わせのほうが検索されていた、という地域設定の誤りに気づくケースもあります。
狙った語句だけに広告が出る設定になっているか
この確認をするうえで気をつけたいのが、広告側の設定です。
Google広告では、キーワードを登録するときの初期設定が「インテント マッチ」(以前の部分一致)になっており、登録した語句と関連があると判断された、別の語句の検索にも広告が表示されます。「A+地域名」の反応を知りたかったのに、実際にはAとあまり関係のない語句でクリックされて予算が消えていた、ということも起こります。
特定の語句の反応を確かめたいときは、「フレーズ一致」や「完全一致」で登録しておくほうが、結果を読み取りやすくなります。
また、アカウント開設時の案内に沿って進めると、キーワードの選定まで自動に任せる簡易的なキャンペーン(たとえばスマート アシスト キャンペーンなどの名称)で始まることがあります。手軽ではあるのですが、どの語句で反応があったのかを細かく確かめるという今回の目的には向きません。
実際にどんな語句で検索されて広告が表示されたのかは、管理画面の「検索語句」のレポートで確認できます。上で触れた「実はBという単語で検索する人のほうが訪問してもらいやすい」という発見は、このレポートを眺めているときに見つかることが多いです。
「いやいや、設定が難しそうで、自分ではとても無理だよ」と思われた士業さんも多いと思います。広告の運用を外部に依頼する場合でも、「この語句で上位表示されたときの反応を知りたい」という目的を先に伝え、検索語句のレポートは毎月見せてもらうようにしておけば、同じ確認ができます。
ウェブサイトの作りは反応率の良いものになっているのか
2つの理由のうち、後者が芳しくなかったら。
つまり、意図した検索語句で訪問者がコンスタントにウェブサイトへ訪れるものの、お問い合わせの電話やメールにはほとんど繋がらなかったというときは、ウェブサイトの作りが反応率のよくないものになっている可能性が高いため、見直しを図ります。
ウェブサイトの反応率は、一定以上の訪問者が発生し、アクセスデータが蓄積されなければ判断が難しいものです。
そのため、自然検索で上位表示を待っているよりも、リスティング広告を展開して先に反応を探ってしまうほうが、日数の無駄にならずに済むケースも多いでしょう。
このとき、問い合わせの件数を数えられる状態にしておくことも大事です。フォームからのメールは残りますが、電話は記録しておかないと、広告を見てかけてきた方が何人いたのか、あとから振り返ることができません。電話を受けた際に「何をご覧になってお電話いただけましたか」と一言尋ねて、メモに残しておくだけでも判断材料になります。
訪問者はいるのに問い合わせに至らない原因がどこにあるのかは、次の記事で段階ごとに整理しています。
リスティング広告を早期活用するメリットと注意点
以上のように、公開直後のあまり訪問者のいない期間、リスティング広告を活用することには、
- 早い段階で、方向性の誤りに気づくきっかけとなる
- 公開直後から反応率を改善してサイトの土台を固められる
というメリットがあります。
リスティング広告にも2ヶ月・6ヶ月・12ヶ月の法則
ところでリスティング広告を活用する場合、たとえば5,000円の無料キャンペーンクーポンをもらったから、試しにその金額だけ出してみるケースも多いのではないでしょうか。
また士業事務所さんの場合、試しにリスティング広告を数日間表示させてみたものの「よくわからないけど反応はなさそうだったから止めた」というケースも非常に多く見受けられます。
リスティング広告は、ある程度試行錯誤しながら育て、データの蓄積から様々な改善を行っていくツールです。従って、リスティング広告にも2ヶ月、6ヶ月、12ヶ月の法則が当てはまってくるため、最低限2ヶ月は続けないと、何の参考にもならず終わってしまう可能性が高いです。
また士業さんに業務を依頼する人は、緊急性の高いものを除いて数十日の検討期間の間、何度かサイトを訪れ、信頼できそうとの心証が高まってから連絡を入れてくる場合も多いです。となると、最終的な受任に結びつけるためにはその間、士業事務所さんの側でリスティング広告を継続していることが前提となります。
リスティング広告を活用するならしっかり予算を組んでから
月額どのくらいの予算を用意すればよいのかについては、ウェブサイトで取り扱う士業さんの業務内容、あるいはその業務に関連して設定するキーワードによって、大きく異なります。
具体的な予算は(前述のキーワードプランナーである程度のあたりは付けることができますが)リスティング広告を仮に組んでみなければわからないことも多いです。
「結局いくら用意すればいいのか、見当がつかないよ」と思われた士業さんは、必要な訪問者数から逆算してみてください。キーワードプランナーには、語句ごとの入札単価の目安が表示されます。その単価に、1か月に集めたいクリック数を掛けたものが、おおよその月額です。これに「最低限2ヶ月」を掛ければ、最初に用意しておく金額が見えてきます。
ウェブサイト公開直後からリスティング広告も展開していくのであれば、ウェブサイト自体にかかるコストの他、リスティング広告費用も数ヶ月分含めて計画を組んでおくことが重要になります。
取り組むならしっかり予算を組んでから。中途半端な金額だけ試すくらいなら手を出さない。どちらかに決めてしまいましょう。






