訪問者、問合わせ、相談、受任件数から士業事務所のウェブ営業の問題点を探る

今回は、以前にこのブログで「依頼が来ない!士業ホームページの問題点は段階ごとに確認する」として触れた、士業ウェブサイトの問題点の切り分けに関する補足の記事になります。

より具体的に、かつシンプルに、何をどう把握しておけばウェブ営業の改善点を判断しやすいのか。ごく簡単な形式のPDFファイルを用意しました。月単位で人数を書き出していくと、変化や改善ポイントが見えやすくなります

訪問者、問い合わせ、相談、受任の4つを数字で記録する

士業事務所の一般的なウェブサイトであれば、最低限記録して把握したいのは、

  • ウェブサイトの訪問者数
  • ウェブサイトからの電話・メール問い合わせの数
  • 実際の相談まで至った人数
  • 正式受任した件数

以上の4点です。この人数が把握できていなければ、何を、どのように改善すればよいのか、最低限の客観的情報が揃わない中で、想像して手を入れていかざるをえなくなります。

ウェブサイト訪問者から依頼者の人数

ウェブサイト訪問者の数は後回し

この4つの数字のうち、1番最初に出てくるウェブサイトの訪問者については、士業事務所のウェブサイトでは数値の上昇を後回しで考えてください

理由は「士業ホームページにおける訪問者増加と反応率と業務効率化の関係」で詳しく触れましたが、訪問者の数を増やすことで依頼件数の増加を計画すると、途中でウェブ営業事態から撤退してしまう可能性が高いためです。

※ただし、既に反応率の良いウェブサイトやランディングページ(チラシ型1枚ページのサイト)等が存在する場合を除きます。

電話やメールの問い合わせ件数

現状のアクセス数が少ないウェブサイトであっても、士業事務所として先に検討するべきなのは、訪問者の数に対する電話・メールの問い合わせ件数(の比率)です。

あなたの事務所のウェブサイトを訪問した人に、どうしたら安心して電話・問い合わせをしてもらえるのか。その点を重視した記事・部品の追加や修正を行って問い合わせに至る反応を増やします。

最近はアクセス解析を導入してスマートフォンから電話ボタンをタップされた数を計測する方法も使いやすくなりましたが、もしウェブ経由の電話問い合わせの本数把握が難しいというときは、「士業事務所がウェブ経由の受電CVRを把握するための比較的簡単な方法」の後半で触れている着信お知らせメールを活用した方法も検討してみてください。

実際の相談まで至った人数

電話やメール問い合わせを経由して、実際の相談まで至った人の人数(およびその率)は、主に以下2点の判断材料となります。

  • そのウェブサイトが営業用として機能しているのか
  • 電話の対応、メール返信の内容、レスポンスの速度は適切か

ウェブサイト自体が情報提供型(ガイドブック型)であると、問い合わせの電話やメールはあるものの、業務と関係のない質問や確認の比率が高く、直接の相談にはなかなか至りません。

また同様に、せっかくかかってきた問い合わせ電話への応対が悪いものであれば、当たり前ですが直接の相談や受任までは至らず終わってしまいます。

そして折り返しの電話が遅かったり、メール返信までに要する時間が長い場合も、既に競合する別の事務所へ依頼することが決まってしまい、直接相談まで至らないケースも往々にして生じます。

改善することで差別化としても機能しやすい要素

特にこの問い合わせに対する反応の早さは、受任に至るか至らないかの大きな分岐点となります。開業当初においては、競合する事務所ともっとも差別化を図りやすいファクターのひとつですから、いかに短くできるか検討に検討を重ねることをおすすめします。

これはたとえばクイックレスポンスのためのモバイル環境の整備といった面に留まらず、進行中の別案件をいかにスムーズに進行させるか、新規案件に回せる時間をどこで捻出するか、という事務所業務全般の効率化に関わる話でもあります。

事務所の業務が効率化されていて、問合せの電話やメールに対するレスポンスが早ければ、それだけで士業事務所には十分なアドバンテージとして機能します。

正式受任した件数

士業事務所のウェブ営業における最終的な目標となる数値は、通常この正式な受任に至った件数になります。

直接相談までこぎ着けたものの、正式な依頼には至らなかったという場合は、

  1. ウェブサイトと実際の事務所の雰囲気にずれがないか
  2. ウェブサイトのコンテンツと受任する業務の間に隔たりがないか
  3. 直接相談の際の対応は適切だったか(説明はわかりやすかったか)
  4. 質問に対する回答ではなく、問題解決のための提案ができたか

といった部分を主に検討して事務所運営やウェブサイトの方向性に修正を図ることになります。

修正した内容を記録して数値の変化を比較する

ウェブサイトの修正を図るときは、できるだけ修正ログを残すようにしてください。そうでなければ、後日、反応率が向上した場合でも要因が何であったのか、判断することが難しくなってしまいます。

またそれ以前の問題ですが、現時点での訪問者、問い合わせの数、直接相談の数、正式依頼の数を一度書き留めただけでは、動的な状況が把握できません。

この人数を毎月継続して記録することではじめて、先月と比べてどうだったのか、前年同月と比べてどうなのか、前述の修正ログを参照にしながら、改善された部分や改悪してしまった部分を洗い出す際の資料として活用できるようになるからです。

ウェブサイトを訪問した人は、その訪問時にすぐ電話やメールでアクションを起こすことは稀で、2ヶ月や3ヶ月の期間を挟んでからの反応に至ることも多々あります。そういったウェブ上の中期的・長期的な動きも、毎月指標となる数字を残しておかなければ把握することができません。

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IWAMOTO

代表取締役風デザイン株式会社
士業事務所のウェブ集客・活用のコンサルティングと営業用ウェブサイトの制作に14年超携わっています。 クライアントは行政書士、社労士、司法書士、税理士、弁護士等の士業事務所さんで、日本全国、幅広く対応中。

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