今回はウェブサイト(ホームページ)の本当の入口と、それに基づく反応率向上についての記事です。
ウェブサイトの訪問者の多くは、トップページから入ってくるわけではありません。極端な場合トップページは訪問者の数パーセントしか閲覧していない、なんてことも。にもかかわらず、トップページにばかり労力を割いて「伝えたいことは全部表現できたから、これで大丈夫。」と思っていると……。
ウェブサイトのどのページが入口として機能しているか
まずは、あなたの事務所のウェブサイトのアクセス解析を確認して、訪問者がどのページを入口としてウェブサイトに流入しているのか、確認してみましょう。
Googleアナリティクス(GA4)を導入しているウェブサイトであれば、一番簡単に確認する方法は「ランディングページ」のデータです。
画面左側のメニューから「レポート」を開き、「ライフサイクル」の中にある「エンゲージメント」、その下の「ランディングページ」を選択してください。
あまりアクセス解析を使っていない人は、ログインした直後の解析期間が直近1週間などに設定されていることがありますので、これを過去30日程度(あるいは先月1ヶ月間)に再設定するほうがわかりやすいです。
ランディングページって?
ランディングページというのは、その名称のとおり訪問者がウェブサイトにランディング(着陸)してくるページのことを意味します。ウェブサイトの外側から訪問者が初めて訪れるページ、つまりここが実質的な「入口ページ」ということになります。
表には、入口となったページのアドレスが上から順に並び、それぞれのセッション数やユーザー数が表示されます。
トップページが入口として機能している割合
ウェブサイトのトップページは「/」(スラッシュ)で表示されます。
実際に士業さんの営業用ウェブサイトとして運用しているデータを見ると、トップページがランディングページ(入口ページ)としてランキングに出てくるのは19番目、ウェブサイト全体に占める割合は1.78パーセントしかない、という状態でした。
つまりトップページから訪問する人は、全体の2パーセントにも満たないことになり、100人訪問しても2人いるかいないか、という程度であることがわかります。
※この割合は、ウェブサイトで取り扱っている業務内容や、リスティング広告活用の有無によっても変わってきます。
大きな裏口(本当の入口)は、どのページなのか
「2パーセント以下の人しか、トップページから訪問する人がいなかった……ショック!」
と衝撃を受けていても始まりませんので、そのウェブサイトの大きな裏口のいくつかに、何らかの手を加えて修正を図れないか、検討していきましょう。
まずはアクセス解析のランディングページで、上位に入っているページから確認してください。上の例では、1位のページは13パーセント以上の人が最初に訪問しているページとなっていましたから、裏口としてはかなり大きなものになります。
本当の入口ページの文章や構成を再検討する
そして、おそらく上位に入っているページをあらためて表示させていくと、誰が、誰のどんな困りごとや希望に対して、どういった内容のサービスで解決策を提供しているのか、ひと目ではわかりにくい状態になっていることに気づかれると思います。
あるいは、ひょっとするとそれ以前にページ内の文章や写真が、公開当初思っていたよりも良くないものとして感じられるかもしれません。情報が古くなっていることも多いでしょう。
まずは文章や写真を見直して、よりわかりやすく、読みやすい内容に修正を図ります。
次に、サイドバーや記事の最後にバナーやボタンを配置して、提供サービスの紹介を行うことはできないか。記事内容自体を見直して後半からうまくサービス紹介の内容とすることはできないか、営業用ウェブサイトとしてより機能する仕組みを取り入れて反応の変化を調べます。
さらに、トップページには伝えたい情報が広く公開されているはずですから、個別のページから訪問した人を、うまくトップページへ誘導できるか導線を検討してみるのもよいかもしれません。
入口ページに、事務所が何者かを書いておく
入口ページの手直しで、もっとも見落とされやすいのがここかもしれません。
トップページから入ってくる人が2パーセントということは、98パーセントの訪問者は、事務所の名前も、誰が書いているのかも知らないまま、いきなり記事の本文を読み始めているということになります。
読み手からすれば、どこの誰が書いたのか分からない文章を読んでいる状態です。内容が正確でも、それだけでは信用になりません。
そこで、入口として機能しているページには、次の要素が入っているか確認してください。
- 事務所名と、書いた人の氏名・資格
- 対応している地域
- 相談の窓口(電話番号やフォームへの導線)
テンプレートの共通部分に入れておけば、全ページに反映されます。作業としては一度で済みますので、優先度は高いと思います。
読まれずに閉じられているページを重点的に
入口ページに手を入れるときは、同時に「エンゲージメント率」の項目も確認しながら進めると効果が期待できます。
エンゲージメント率は、そのページを開いた人のうち、一定時間以上とどまった、あるいは他のページも見たといった反応を示した人の割合です。入口ページであるにもかかわらずこの数値が低いページは、内容や誘導に問題のある可能性が高いためです。
なお、以前のアナリティクスにあった「直帰率」とは数え方が異なりますので、昔の数値と直接比べることはできません。修正の前後で比較する、という使い方をしてください。
入口ページとしてアクセス数のランキング上位に入っているページについて、全体的にこの数値を改善することができれば、ウェブサイト全体の活性化にもつながります。
入口ページの顔ぶれが変わってきていないか
近年、この「入口ページ」の傾向そのものにも変化が出ています。
検索結果の上部にAIによる要約が表示されるようになり、「◯◯とは何か」といった一般的な疑問は、検索した人がどのサイトも開かないまま解決するようになりました。
その結果、用語解説の記事が入口として機能しなくなり、順位を下げているサイトが出てきています。
ここで注意していただきたいのは、これが必ずしも悪い変化ではないという点です。入れ替わりに上位へ来ているのが業務案内のページや料金のページであれば、依頼に近い段階の人が入口にしているページが増えたということになります。
ランキングを眺めるときは、順位の上下だけでなく、そこに並んでいるページの性質も見てみてください。
- 用語解説の記事ばかりが並んでいる → 自分で解決したい人が多く来ています
- 業務案内や料金のページが上位にある → 依頼を検討している人が来ています
後者が増えているなら、訪問者数が減っていても、ウェブサイトはむしろよい方向に舵を切っている可能性があります。
ページの営業色が濃くなりすぎないよう注意
ただし、このページで触れた「入口ページに、お問い合わせやご依頼につなげるような流れを作れないか」という部分は程度問題です。
やりすぎてしまうと営業用ウェブサイトという雰囲気が必要以上に強まってしまい、反応率の点では逆効果となる可能性も高いです。
あくまで訪問者の利便性を考慮しながら、よりフォローする構えでページの修正を図ることを優先してください。




