士業がリスティング広告を活用する際の予算目安の考え方と注意点

別の記事でちょっとだけ広告費のことに触れたことで、「士業 広告費 目安」などの検索ワードで訪問される方が増えてきたので、今回はリスティング広告(検索連動型広告)等の広告費の考え方と注意点について触れたいと思います。

先に業務ごとの広告宣伝費を決めてしまう

リスティング広告をまだ活用したことがない士業さんは、「いったいリスティング広告ってどれくらい予算をかけるものなのだろう?」「他の事務所では、どれくらいの広告宣伝費を使っているのだろう?」と疑問に思われますよね。

リスティング広告の予算は、実際のところ広告を出す士業の資格、業種、地域等によってかなり異なるため、一概にいくらという値段が出せるわけではありません。

たとえば、競合の多い業種・エリアであるほど、1クリックあたりの費用(CPC)が高くなりますし、逆に誰も取り扱っていない業務であれば、全国規模で広告を展開しても、それほど1クリック単価が上がらないこともあります。

業務の単価から逆算して広告宣伝費を決める

そこで、最初にリスティング広告に取り組むときは、「他の事務所の予算はいくらくらいなのかな」と同業他事務所との比較で迷わずに、取り扱う業務の単価から、貴事務所の広告宣伝費として目安を算出する方法がおすすめです。

たとえば、1件の依頼が入ったとき、10万円の報酬額が発生する業務であれば、その1割から3割程度を広告宣伝費として設定します。

そして、次にその業務を月に何件こなすことを目的とするかを設定して、二つを組み合わせます。

仮に単価が10万円の業務に対して広告宣伝費を2割とし、月にその業務を4件こなすことを目的とするなら、広告宣伝費の目安は8万円ということになります。

  • 1件の報酬額×0.2×1か月で受任したい件数=リスティング広告費用の目安

たまに「5,000円の無料クーポン」プレゼントキャンペーンなどに誘われて、リスティング広告を使ってはみたものの、「なんの反応もなかったから意味がない」と結論付けてしまう方がいらっしゃいますが、上記の広告宣伝費目安から考えると、5,000円程度ではほとんど機能しない額であることがイメージできるのではないでしょうか。

広告を出すときは、ウェブサイトの反応率(CVR)に注意

予算目安が出たら、その額をリスティング広告の費用として入金し、実際に活用していくことになります。

この際、注意が必要なのは、いかに優れたキャッチコピーのリスティング広告を作り、クリックを多く発生させたとしても、その後に訪問者が閲覧することになるウェブサイトの完成度が低く、反応率(電話やメールで問合せてもらえる率、CVR)が乏しいものであれば、広告費の無駄遣い以外の何ものでもなくなってしまうという点です。

ただし、逆に言えばリスティング広告を活用することによって、ウェブサイト開設から短期に訪問者を発生させ、反応率がどれくらいのウェブサイトに仕上がっているのかを確認することも可能です。

予算との兼ね合いにもなりますが、ウェブサイトを作ったら先にリスティング広告で反応率を見てしまうほうが、ウェブ営業は早期に軌道に乗せやすいのは確かです。

継続的に展開しなければ利益を上げにくい広告形態

リスティング広告は試行錯誤して、蓄積されたデータや経験をもとにブラッシュアップし、効率を上げていく宣伝ツールです。そのため、初めて利用した人がすぐ結果を出すのは難しく、こればかりは使いながら、コストをかけながら試していくしかありません。

この点、1、2週間経過した段階で「何の反応もなかった」と広告展開を取りやめてしまう士業事務所さんがとても多いです。

リスティング広告は1クリックが数百円以上となることも多々あるため、うまく投資と回収のサイクルが回らない段階では「いま、業務とは関係のないキーワードで何回かクリックされちゃったけど、おかげで一生懸命に節約した昼食代の数倍の額が、一瞬で消えた……。」などなんだか悲観的に感じてしまうからです。

リスティング広告は先行投資のため、リターンは後日

しかし士業さんの取り扱う業務に関しては、よほど緊急性の高い業務でない限り、リスティング広告からウェブサイトを訪問した人が、その日のうちに問い合わせてくれる可能性は低いです。どちらかといえば、数週間後や数か月後にあらためて訪問した際に、何らかの反応をするというパターンのほうが大勢です。

そのため、訪問者が次に貴事務所のウェブサイトを訪れるときまで、あるいは次の次に訪れるときまで、リスティング広告を出し続けられるか。予算目安で算出した額を、毎月きっちり計上してデータ蓄積・経験獲得できるか。

これがリスティング広告で結果を出せるか出せないか、大きな分岐点の一つとなります。(言い換えるなら、結果が出なくても試行錯誤を続けていけるかどうか、それだけの資金を準備できているかが問われます)

何度も訪問しているうちに、親近感を抱いてもらえる

いつ見ても検索結果の上位に表示されているからこそ、何度も貴事務所のウェブサイトに訪問することになり、親近感を抱いてもらえるようになります。

これでお分かりかと思いますが、リスティング広告というのは、運用経験もない、複数回訪問者もいない序盤こそ難易度が相当に高い広告手段であるといえます。

ある程度のコストを費やして試行錯誤した後は、データや経験が蓄積していることから、無駄な部分をそぎ落として比較的効率的な運用が可能になります。このあたり、リスティング広告は依頼可能性への投資ですから、一か八かのギャンブルとはリターンの性質が大きく異なり。

業務単価だけではなくLTVも考慮に入れる

ところで前半で広告宣伝費の目安算出について触れましたが、算出した目安の額と、実際にリスティング広告を活用した結果(利益)との間に大きな隔たりが生じたとしても、それだけをもってすぐに「効果なし」との判断を下してしまうのは早計です。

なぜなら、士業さんの取り扱う業務の中には「存在を知ってもらうこと」によって、新たな広がりが生じる(可能性が高まる)ものが多く含まれているからです。

たとえリスティング広告に投資したコストを、受注した業務報酬額が上回らなかったとしても、その業務によって知り合いとなった依頼者の方(またはそのお知合いの方)から後日、別の業務の相談を持ち掛けられるということは大いに考えられます。

極端な話、仮に最初のご依頼では利益がほとんど生じなかったとしても、ウェブサイト立ち上げ1年程度で多くの案件に関わることによって、後日様々なご依頼を(今度はリスティング広告費用なしで)受けることも十分あります。

リスティング広告の費用対効果は短期的にではなく、数か月後、数年後も含めたLTV(顧客生涯価値)を考慮に入れて判断することも大事です。

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営業用ウェブサイトの制作や集客・活用のコンサルティングに10年超携わっています。 クライアントさんは主に行政書士、社労士、司法書士、税理士、弁護士等の士業事務所さんで、士業サイトの制作実績は現在約500サイト。

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