公開したウェブサイト(ホームページ)にGoogleアナリティクスを入れていますか?まだ導入していない事務所さんは、いま使わなくても後日サイトのリニューアルなどで大いに活用できる可能性もあります。まずはデータが取れる設定だけでも済ませておきましょう。
とはいえ、せっかく導入したアクセス解析なら、少しは確認してウェブサイトの更新作業に活用したいところ。ということで、今回は士業事務所さんのウェブサイトに特化して「まずここを見よう!」というGoogleアナリティクスで最初に確認しておきたい項目を紹介します。
ユーザーエクスプローラとは
アクセス解析には様々な機能や多くの分析方法がありますが、まずは比較検討の前段階、基本中の基本となるアクセスした訪問者の動きをそのまま確認することのできる「ユーザーエクスプローラ」を確認しましょう。
ユーザーエクスプローラは、ウェブサイトの訪問者がどのページから訪問して、どのページを見て、最終的にどのページから離脱したかを流れとして確認できる機能です。
なぜこの機能が基本中の基本となるかというと、このユーザーエクスプローラを日々確認していくことで、ウェブサイト訪問者の振るまいを具体的にイメージできるようになるからです。
訪問者がどのように移動して、どんな反応を示すのかイメージできれば、ウェブサイトの更新や修正の際、とても役立ちます。
GA4での開き方
GA4では、左側のメニューにある「探索」から利用します。
「探索」を開くと、いくつかのテンプレートが並んでいますので、その中から「ユーザーエクスプローラ」を選択してください。すると、そのウェブサイトを訪れた人が一覧で表示されます。
以前のように「オーディエンス」のメニューから開く形ではなくなりました。
※解析の期間が短いと、アクセスの少ないウェブサイトでは情報があまり表示されない可能性があります。画面右上に表示されている期間を1〜2か月に伸ばすほうが分かりやすいです。
ユーザーエクスプローラに表示される情報
一覧に表示されているうちのどれか1つをクリックすると、その訪問者がいつ訪問して、どのくらいの時間サイトを見ていたのかが表示されます。
ここから、訪問者がどのようなペースで訪問して、何回目くらいに本腰を入れてウェブサイトの情報を閲覧してくれたのかを、大雑把に把握することができます。
たとえば、11月に一度短時間だけ訪問した人が、12月にもう一度訪れ、年明けになってから30分近くかけてじっくり読んでいた、といった動きが見て取れます。
士業事務所のウェブサイトでは、相談を決めるまでに何度もサイトを訪れている訪問者が、想像以上に多いことに気づかれると思います。1回の訪問で決めているわけではない、というのが分かるだけでも、ページの作り方に対する考え方が変わってきます。
ページの移動を流れとして確認する
さらに、1回の訪問(セッション)を開くと、訪問者がどのようにページを移動していったのか、詳しく流れとして確認することができます。
たとえば、トップページから閲覧を開始して、事務所案内ページを確認し、そこから記事の一覧ページへ移動して、個別の記事を開いた、といった順序が分かります。
時刻もあわせて表示されますので、ある記事を開いたもののすぐ前のページに戻っているといった動きも読み取れます。開いたけれど読まれなかった、ということですね。
GA4では、ページの表示だけでなく、クリックやファイルのダウンロードといった行動も記録されていれば一緒に並びます。そのぶん項目数が多くなりますので、最初は「page_view」と書かれた行だけを追っていくと分かりやすいです。
もっと手軽に見たいときは
「探索」の操作が難しく感じる場合、もう1つ手軽な方法があります。
GA4の「リアルタイム」というレポートです。ここでは、直近30分の間にサイトを見ている(見ていた)人の動きが表示されます。
そして画面内の「ユーザースナップショット」を開くと、いままさにサイトを見ている人を1人選んで、その動きを追いかけることができます。
アクセスの少ない士業事務所のウェブサイトでは、誰も見ていない時間帯のほうが多いかもしれません。それでも、実際に誰かが見ている瞬間に立ち会えると、印象がまったく違います。
記事を公開した直後などにそれをSNSで公開してからこの機能を開いてみると、ちょうど読んでくれている人が見つかることがあります。(まあ、その場合はお客さまではなく同業者さんのことが多いかもしれませんが……)
訪問者の動きを具体的にイメージする
単に数値やグラフを見るよりも、このユーザーエクスプローラを使って1人の訪問者の動きを流れとしてじっくり見ていくほうが、より具体的な人物としてイメージが湧きます。
大事なのは、訪問者がいつ頃ウェブサイトに訪問してくることが多いのか、またそのペースはどのくらいなのか、さらにはどのページを閲覧することが多いのかなど、訪問者の傾向をユーザーエクスプローラを通してしっかり把握していくことです。
訪問者があたかもお店を訪問して、そこに並べられている商品を確認したり、別の商品に移動したりなど、具体的な来店客のようにイメージできてきたらOKです。
本来の目的に合致した訪問者の動きを確認
特にウェブサイトのお問合せフォームからメールを送ってくれた訪問者など、ウェブサイト本来の目的に合致した訪問者に絞ってユーザーエクスプローラの動きを確認すれば、実際に反応を起こしてくれた人の動きが具体的にわかります。
GA4では、探索の画面で条件を指定することで、こうした絞り込みが可能です。ただし、お問い合わせの完了を記録する設定が事前に必要になりますので、まだの場合はウェブサイトを制作された会社にご相談ください。
動きがわかれば、どのページをより分かりやすくすればよいのか、どの部分の導線を強化すればよいのか、ウェブサイトを修正する大きなヒントを得られます。
数日確認した程度では訪問者のどの動きが何を表しているのかイメージしにくいかもしれませんが、閲覧数を重ねていくことで、しだいに「あ、これはこのページに何か問題がありそう」とか「このページを経由していると反応が良さそう」など、より具体的なイメージとして見えてきます。
見る前に知っておきたい、2つの注意点
GA4でこの機能を使う際、あらかじめ知っておいていただきたい点が2つあります。
1.データ保持期間の設定を確認してください
「探索」の機能は、GA4の「データ保持期間」という設定の影響を受けます。そしてこの設定は、初期状態では2か月になっています。
つまり、設定を変更していない場合、2か月より前の訪問者の動きは見ることができません。
管理画面の「データの収集と修正」から「データの保持」を開き、14か月に変更しておいてください。操作自体は1分程度で終わります。
2.訪問者が誰なのかを特定しようとしないでください
これは士業事務所さんに特に申し上げておきたい点です。
ユーザーエクスプローラを見ていると、「この長時間見ている人は誰だろう」「あの相談者はこの動きだろうか」と考えたくなります。気持ちは分かります。
ただ、アクセス解析のデータから個人を特定することはできませんし、特定しようとしてはいけません。氏名やメールアドレスといった個人を識別できる情報をアナリティクスに送ることは、規約上も禁止されています。
この機能で見るべきなのは「誰が来たか」ではなく、「どんな動き方をする人がいるか」という傾向です。個人ではなくパターンを見る、と考えてください。
全体の流れを見たいときは
1人ずつ見ていくのは、訪問者の多いサイトでは大変です。「探索」には、訪問者全体がどのページからどのページへ移動しているかをまとめて表示する機能もあります。
探索のテンプレートから「経路データ探索」を選ぶと、トップページを起点として、次にどのページへ移動した人が何人いたか、という分岐が図として表示されます。
個別の動きで仮説を立てて、全体の流れで裏づける。この順番で見ていくと、判断の精度が上がります。
ただ、アクセス数がそれほど多くない士業事務所のウェブサイトであれば、まずは1人ずつ見ていくほうが得るものは大きいと思います。全体の傾向は、数字がある程度たまってからでも遅くありません。
数字の向こうに、人がいます
アクセス解析のデータは、どうしても数値やグラフが全面に出てしまい、訪問者が血の通った人間であることが見えづらいデメリットがあります。士業事務所さんのウェブサイトは商品をカートに入れて販売するわけでもないので、訪問者のイメージはより曖昧で抽象的なものとなってしまいがちです。
このユーザーエクスプローラを使えば、訪問者の行動が流れとして把握できますから「ウチのサイトも誰か見に来てくれているんだな」という実感を得やすく、きっとウェブサイト改善のモチベーション維持にも役立ってくれるはずです。
記事を書いても反応がなく、続ける意味があるのか分からなくなる。そんな時期は、どの事務所さんにもあります。
そういうときこそ、この画面を開いてみてください。「深夜に30分かけて記事を読んでいる人が、確かにいる」そんな確信が持てれば、その人のために書いていると思うことで、更新を続けていくモチベーションにつながるでしょう。





